ポケモン対戦における闇について。トス行為や改造ポケモンなど

WCS2018ロゴ

先日、ポケモンGOの企業運営攻略サイトがライバルサイトの情報をパクって炎上し、一時閉鎖するという出来事がありました。

「ポケモンGO攻略ニュース」がライバルサイト「ポケマピ」の画像をパクっている件について。

詳しくは上記記事をご覧いただければと思います。

今回の一件で僕が感じたのは「一部の人間には当たり前の出来事でも、まったく知らない人も大勢居る」ということでした。

攻略サイトのパクリなんて今に始まったことではないですし、Web界隈に少し詳しい人ならサイバーエージェントグループがやりたい放題してるのも当たり前のように認識していることです。

じゃあ、ポケモン対戦界隈の闇についても知らない人が非常に多いのではないかと思い、記事にしました。

この記事は個人を糾弾するものでも、ポケモンに対する不満をぶちまけるものでもありません。

前向きに考え、ちゃんと解決してポケモン対戦がよりクリーンで「eSport」と呼ばれるレベルになってくれることを願っています。

まえがき 筆者の立場について

本記事を執筆するにあたって「誰が書いているか」は非常に重要だと思ったので、ザックリ自己紹介します。

  • 本格的な対人戦は第4世代(DPt)からで、以降累計10000試合は戦ってます。
  • 公式大会はWCS2009,2010に出場しましたが予選敗退。
  • いわゆる対戦系オフ会には参加していません。
  • 2014年末からポケモン対戦から離れていて、わりと最近復帰しました。

ここまで書くと信憑性のない要素ばかりなんですが、僕は2009年から2014年までニコニコ動画(及び生放送)で活動しておりました。

  • 動画再生回数ざっくり100万回(削除した多くの動画除く24本計)
  • コミュニティ登録数約2万人(2014年末時点)

当時の数字で、ニコニコという箱の中では正直大手に属していたと思います。

ですので、何もしなくてもいろんな情報が入ってきました。

とはいえ憶測が含まれているところはあります。ご了承の上、読んでいただければと思います。

そして、この記事を読んだ後でも読む前でも良いのでぜひ一度、下記の記事を読んでいただければと思います。

参考 ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗についてカクヨム

上記リンク先の文章について、本記事でも一部引用させていただきます。

1.ポケモンの改造行為について

前提として、改造は論外です。グレーでもなんでもなく、ブラックです。アウトです。

それでは、ポケモンにおける改造ってなんでしょうか?

マスターボール99個?

5秒でレベル100?

「プロアクションリプレイ」なんて懐かしい改造機器の名前が出てきそうですね。

ポケモン対戦において「改造」という言葉が指すのは「ポケモンの個体」です。

プレイヤーの皆さんならお分かりでしょうが、ポケモンというゲームは対戦という舞台に上がるまでが大変です。

性格、特性、個体値といったランダムな要素に加えて努力値配分、レベル上げといったステータス調整が必要になるからです。

それが楽しいんだよ!

という人も多いと思いますが、公式大会でテッペン狙うような層はトライ&エラーの繰り返し。育成時間が足りないのです。

ぶっちゃけ正規プレイで入手できるポケモンの個体を改造で入手してもバレることがないのが現状なので、プレイヤーの良心にかけるしかありません。

WCS2014年では通常入手できない「ドリームボール入りギルガルド」が登場して一悶着ありました。

ポケモンバトルレボリューションで日本語+半角数字というありえない組み合わせの「ヤミラミ3」というニックネームで炎上した人がいました。

「しょうちゅう」というニックネームが5文字までのBW世代で6文字を冠したドリュウズがいました。

「りゅうのまいガブリアス」という今でも存在しない禁じ手を使う人もいました。

バレてないだけ。ポケモン対戦で改造ポケモンは当たり前のように存在していた

先ほど挙げた例は「バレた」改造ポケモンの例です。

でも、実際は厳選難易度が高いポケモン…主に一時期のスイクン、ライコウやサンダーなどの準伝説とWCSルール初期の伝説ポケモンです。

これらは厳選難易度のわりに「めざめるパワー理想個体」などがあまりにも多すぎた。不自然なほどに。

先ほど言ったように「バレないように改造すればバレない」のだから、これは真実ではないかもしれません。

でも映画限定配布なのに異常な数存在した「のんき絶対零度スイクン」、てめぇは絶対許さねぇからな

この頃、レーティングバトルの改造チェックもわりとザルだったらしく、かなりの数使用されていました。

改造と無関係のプレイヤーも他人事ではない

先ほど、公式大会であるWCSで「ドリームボール入りギルガルド」という改造によって生み出されたポケモンに触れました。

このギルガルドの使用者は「孵化を代行してくれた人が使っていた親がドリームボールだった。インターネットチェックも公式チェックも通っていたし気が付かなかった。」とFacebookで正式に謝罪しています。

この人が実際に改造しているかどうかには言及しませんが、これはよくあるパターンです。

今はミラクル交換やGTSなどで全く知らない他人のポケモンを入手することができます。

GTSで親用個体を入手して孵化して育てる…今のポケモントレーナーが当たり前のようにやっている育成パターンです。

この親が改造ポケモンだったらどうする?

そのポケモンがそのボールで入手できるのか、出会った場所は、レベルは、特性は…そこまで完璧にチェックするのは大変です。

正規の個体と同じデータなら改造ポケモンかどうかすら分かりません。どうしようもない問題の一つなんです。

この問題は最後に述べる「第8世代への期待」へ続きます。

第5世代まで乱数調整が当たり前のように行われていた

さて、「改造はしたくないけど理想個体を手にしたい」という人たちにとって、大流行した手法がありましたね。

それがパソコンのツールを使用した「乱数調整」です。

外部機器をゲームに接続して使っているわけでもない。内部ゲームデータをいじっているわけでもない。システム上ありえないポケモンを生み出さない「グレーゾーン」な手法として、今まで「ブラック」だった改造に手を出さなかったユーザーを中心に広まりました。

当初、この乱数調整について賛否両論が巻き起こりました。ガチ対戦者は理想個体を入手できるんだから当たり前のように使用するし、今まで物凄く努力して育成したポケモンを否定されるような気持ちになる人も多くいました。

これによりガチ対戦者=グレーゾーンな人たちという偏見も生まれました。動画のコメントなどで「乱数使用者かよ。つまんねぇ」「乱数厨」などの誹謗中傷もよくありましたね。

今では乱数調整があまりにも「当たり前」になりすぎてそれが正しいのか正しくないかなど、聞かなくなりましたが…。

第6世代の「あかいいと」による乱数全盛期は解消

今でも存在する乱数調整ですが、当時より使用者はグッと減りました。

第6世代(XY・ORAS)から「あかいいと」と呼ばれる孵化厳選を楽にするシステムが登場し、「乱数するより楽だし心理的障壁もない」ことから、普通に孵化厳選をするトレーナーが増えました。

第7世代では個体値を後から最大にするアイテムが登場したことで準伝説ポケモンなどに関しても乱数調整を使用する意味が少なくなってきました。

もともと一部では誹謗中傷されるほどの手法でしたから、好んで使う人はほとんどいなくなりました。

2.レート対戦におけるトス行為について

ポケモンの世界大会「WCS(ワールド・チャンピオンシップ)」は2009年から始まり。2010年を最後に2012年からオンライン予選が採用されています。(2011年は震災の影響で国内中止)

この辺の闇は前述したカクヨムの「ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗について_WCS2012-2013」で詳しく記述されています。

オンライン大会はその名の通り、「大会出場権」を賭けてゲーム内のインターネット対戦機能を使用し、「期間限定大会」が開催されます。

出場権獲得のシステムとして、トーナメントのような一発勝負ではなく「レーティング」と呼ばれる勝てば上がり、負ければ下がる数値を用いた自由回数戦になります(上限あり)

しかし、インターネット予選開催当初は切断と呼ばれる、負けそうになったら本体の電源を切ることでノーカウントになる仕組みを悪用する人もいました。

公式は切断率というシステムを導入し、高頻度で切断により対戦が中断されたプレイヤーは、最終ランキングから除外するという措置をとった。

しかし、プレイヤー側はさらにそれを「切断ロムによるトス」という方法で回避し、不当にレートを上げた。

「切断ロムによるトス」とは、まず切断を繰り返しレートを上げたロムを作成した後、そのプレイヤーの本命のロムとマッチングさせてレートを不当に上げる方法である。

引用:ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗について

公式対策を逆手に取って、上記のように「トス行為」が行われていたのは限りなく事実に近いです。

ランダムマッチングで狙った人と戦うのは大して難しいことではありませんでした。

  • 人が少ない時間帯
  • 初期値から離れたレート帯

これらの条件が噛み合えばかなり高い確率で当たります。

余談ですが、僕が生配信を行っていたランダム対戦の企画でも「スナイプ(マッチング)してください」と要請すれば余裕で当たりました。ゴールデンタイムで、大会のように参加数が制限されていないにも関わらずです。

実際、一部プレイヤーグループのSkypeチャットが流出し2017年に国内大会決勝まで進んだ人のトス行為が明らかになった例もありました。

僕が対戦から離れていた2014年~2016年に関しては「ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗について_WCS2014-2016」をご覧ください。ひどすぎる…。

以下、一部引用

しかし、WCS2016の国内予選(以下PJCSと呼ぶ)の有様は特に酷いものであった。

まずはPJCS開催前にTwitterに構築晒しbotという名前のアカウントが作成され、有名プレイヤーのパーティ(構築)とプレイングの晒しが行われた。

ポケモンというゲームは同じパーティ(構築)を何度も使い、調整して、手になじませなければならない。また身内同士での対戦では、いわゆる「人読み」的要素が邪魔をするためまともに調整ができないのだ。そのため、ランダム対戦を行うことになり、結果としてこのような事件が起きてしまった。このbotによっておそらく十数人のプレイヤーが被害を被ったのではないだろうか。また、このbotの中の人は誰か、という話でもPJCS開催中に一悶着があった。

引用:ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗について

グループ内での情報共有は戦術なのか

続いては「ゲーム『ポケモン』における競技シーンの腐敗について」で挙げられた改造やトス行為以外の問題「グループ内での相手構築共有」についてです。

ポケモンは古くからオフ会が盛んで、対戦オフ会などで横の繋がりが非常に強いのです。

前提として、ポケモンはチームスポーツではないのですが、一部グループがスプレッドシート(共有して編集できるエクセルみたいなもの)を使用しているのは紛れもない事実です。

ぶっちゃけ不公平ですが、これに関しては禁止事項ではありません。

「横のつながりを作れるほどポケモンをやりこんだ」と言えば聞こえは良いでしょうか。システム面の問題もあります。

たとえば、有名動画投稿者の対戦相手になってしまった人も不公平になってしまう。(もちろん、公式大会予選などでは配慮するでしょうが)

この問題に関しては「不公平だ!やめろ!」というのはナンセンスだと思っています。システム面で対策するほかありません。

3.インターネット上でのシミュレーターは善か?悪か?

古くは「ジムリーダーの城」という対戦シミュレーターがあります。

これは「ポケモン金銀」というフィールドに限定してインターネット上で対戦シミュレートができるサイトです。

「金銀」がネット対戦非対応なこと、発売からかなりの年月が経っていることなどから、このサイトに対する批判の声はあまり聞きません。

しかし、最近になって「現世代」のシミュレーターが登場しているのをご存知でしょうか。

Showdown!は許されるツールなのか

「Showdown!」と呼ばれる、今の第7世代環境に対応したバトルシミュレーターが海外に存在します。

日本でも使用者が居るようで、使用方法を解説しているサイトも見受けられました。

「ジムリーダーの城」が許されているのであれば、「Showdown!」もセーフなのか?

僕個人の意見としては、アウトです。

  1. Showdown!を使用することで対戦人口が減り、本来のインターネット対戦が過疎化する
  2. インターネット対戦が完結してしまい、現在発売しているソフトの売上に直結する可能性がある

といったところが理由ですが、これはあくまでも個人の意見です。

株式会社ポケモンが正式に対応しない限り「グレー」のままです。使用者を糾弾することもできません。

なぜなら、我々は「ダメージ計算ツール」などのシミュレーターを使用してしまっているからです。

ダメージ計算ツール

「ダメージ計算ツール」はポケモン対戦における条件設定をして、どれだけのダメージ量になるか計算してくれるツールです。

ポケモン対戦をしている人は殆ど、使ったことがあるのではないでしょうか。

本来ダメージ計算などは公式に発表されていない式を解析して用いており、株式会社ポケモンが「不正ツール」だと言ってしまえば存在が消えてしまうようなものです。

ポケモン対戦に競技性をもたせるのであればダメージ感覚はプレイヤーの経験に則った「スキル」であるべきです。

しかし、ゲーム解析が当たり前のように行われていて、それを止める手段がないのも事実。

我々ポケモントレーナーは常に「グレーゾーン」の中で勝負をしているのです。

補足
ダメージ計算ツールについて、@OZY_Project97 Productのように第5世代の海外解析データを元に、手探りで現世代のダメージ計算式を確立している方々もいらっしゃいます。

海外で解析データが出る以前は完全に手作業のみで計算式を追い求めていたようです。(幸か不幸か、海外で解析データが流出してより正確になったようです)

@OZY_Project97 Productのような熱意のある方々が居れば、将来ゲーム解析ができない時代になったらなったで努力のみで作り上げられる「ホワイト」なダメージ計算ツールが登場するかもしれませんね。

また、現世代のダメージ計算ツールに関しても解析したデータを元にツールを作成するだけ!という単純な世界ではないようです。僕自身、ダメージ計算ツールにはよくお世話になっていますが、本記事を公開して指摘を受けるまで全く知りませんでした…。

ポケモントレーナーはグレーゾーンの中で生かされている

僕を含む動画投稿者はニンテンドー3DSの映像をPCに出力するため、3DSを改造しています。デフォルトで映像出力機能がないためです。

グレーどころか、ブラックと言われても何も言えません。

まぁ、株式会社ポケモンが「実況者」として動画投稿者をゲストに呼んだりするのが当たり前になっているので、現実的に怒られるようなことはないんですが…。

対戦シミュレーター、ダメージ計算ツール、種族値…。

「個体値」「努力値」などはゲーム内で確認することができるようになってきましたが、未だにポケモン対戦を行うにあたって「ゲーム解析」はつきものです。

例えば将来、解析できないポケモンのゲームが登場したらどうなるのでしょうか。

  • ダメージ計算ができない
  • タマゴわざが分からない
  • 種族値がわからない
  • 努力値配分ができない

…一見、余計にポケモン対戦離れが進んでしまいそうです。

しかし、ダメージ計算以外の要素は公式ガイドブック(攻略本)や世界のポケモントレーナーたちが努力すれば解決される問題です。

技術と技術のぶつかり合いになりますが、僕は「ゲーム解析のできない時代」がくれば良いなと思っています。

現時点で、ポケモントレーナーはグレーゾーンのフィールドで戦っているのは明らかです。

第8世代でポケモン対戦は変われるのか

ポケモン対戦における闇…というか主に「グレーゾーン」について書かせていただきました。

ここまで挙げてきたブラック、あるいはグレーな行為にも終わりはくるはずです。

第8世代のポケモンはニンテンドースイッチで発売されると言われています。

携帯ゲーム機より解析が難しいのは明らかですし、複数ロム・複数機を持つのも以前よりハードルが上がります。

しかし、ハードの変更ですべて解決するわけではありません。

  • 公式大会時のPGL、あるいはニンテンドーアカウント連携による本人確認(住所登録など)
  • 対戦時のトレーナー名非表示、ポケモン配置順のランダム表示
  • 厳選難易度のさらなる低下
  • 改造ポケモンに対するブロックツールの性能向上

公式でこのような対策を施せば改造ポケモンやトス行為、グループと個人による不公平などは限りなく解消されていくはずです。

ポケモンは年々進化しています。大会はより公正になり、厳選難易度もどんどん下がっています。

あと一息だと思うんです。

あとちょっとで、ポケモンがeSportになる。

世界的なキャラクターであるポケモンで大金を賭ける大会が開催されるのかどうかは微妙なところです。

ただ、「eSport」というのは賞金が高いという意味ではないはずです。

あと少しの対策ですべてのプレイヤーが平等に戦える舞台を公式に設けられる。

ポケモントレーナーの戦いは終わらない。