増田順一さんの「めざめるパワー」厳選集

増田部長アイキャッチ

ポケモンファンで増田順一さんを知らない人は少ないかもしれません。

ポケモン本編を作っている会社「ゲームフリーク」の取締役開発部長であると共に、ポケモンというブランド全般を取り扱う「株式会社ポケモン」の取締役でもある、ポケモンファンにとっては神様みたいな人です。

「ポケットモンスター赤・緑」の開発当初は「作曲担当」として活躍され、初代ポケモンの音楽(鳴き声などの効果音含む!)は全て増田さんが手がけておられます。

そんな増田さんですが、今ではメディアやイベントなどでの露出が多く、SNSの活動も積極的なので「広報担当」みたいなイメージがありますよね?

今回はその「ハシリ」になったと僕が勝手に思っている「増田部長のめざめるパワー」という公式ブログについて、語りたいと思います。

増田部長のめざめるパワー(ゲームフリーク公式サイト内)

増田部長のめざめるパワーって?

増田さんは今でこそTwitterInstagram、そしてLINEブログといったSNSを活用されていますが、もともとゲームフリークの公式サイト内でブログを書いていたんです。

それが今回紹介する「増田部長のめざめるパワー」なんですが、2004年から2015年まで実に244回も投稿されています。

内容はポケモンに関することがほとんどで、特徴的なのはほぼ「文章」でつづられていることです。今のLINEブログは画像が中心ですからね。

さて、増田さんと言えば毎年、年末にマスダアワード(※詳しくは検索してね!)という狂気じみたお祭りがツイッターで開催されているほどファンの多い方なんですが…

僕も大ファンなんです!

この「増田部長のめざめるパワー」は全部読みました。

ちなみにこの記事を書くためにもう一度全部読みました。

ポケモンファンにはぜひ全部読んでもらいたいのですが、さすがに244回振り返るのは大変です。

なので、僕が特に好きな増田部長のめざめるパワーをご紹介したいと思います!

(以下、引用部分は増田部長のめざめるパワーより。)

第1回 2004.08.02

初めまして。
ゲームフリークの増田です。
いつもゲームフリークを応援していただき
ありがとうございます!
ゲームを創っていると、いろいろと考えることがあります。
そんなことを、少しずつ書いていこうと思います。
まず、始めにゲームフリークが大事に思っていること、
そう、それは、
「こだわって創ること」
簡単な言葉だけど、そこには、大きな意味が込められています。
そうなんです。
コンピュータゲームを創るためには「こだわる」ということに、
もの凄いパワーを使います。
どこにパワーを使うのか?
下駄職人が、いかに良い下駄を創るか?というのと同じなんですよね。
しかも、100人が「良い!」という下駄。いやー、難しい。
簡単で普通に見えることに、「こだわり」があるときがあります。
そんな発見をしたとき、嬉しいんです。
みなさんも、ぜひ発見して楽しんでね。
では。
これから、よろしく!

記念すべき「めざめるパワー」一回目の投稿です。

2004年8月といえば、ポケモンは「エメラルド」の発売を一ヶ月後に控えた時期ですね。

既にポケモン人気は揺るぎないものになっていましたが、このころゲームの開発者が攻略本など以外で、自分から情報を発信するのは珍しいことでした。

この第1回めざめるパワーでは「こだわり」について語られていますが、そういえば「こだわりハチマキ」が出たのはルビー・サファイアからでしたね。

第10回 2004.08.27

ちょっと、細かい話でも。
ルビー、サファイアやファイアレッド、リーフグリーンでもそうなんですが、
主人公が壁にぶつかっているとき、
通常の歩きの速度より遅い速度で前進します。
前進するんです。
色々な作り方があると思いますが、、、
増田は、
プレイヤーが十字ボタンを入れている、入力しているのだから
入力しているという反応が欲しい。
ということで、
壁にぶつかったときに、歩くのを止めるのではなく、
半分の速度で、「進もうとする」ようにしました。
でも、進めるわけではないので、
「進めない」というお知らせとして効果音で「ブー」と鳴らしてます。
まあ、ほんとに人によっていろんな作り方があると思いますが、
どう気にして、どう対策をしていくのか?
ゲームを創っていて楽しいところでもあります。
細かくて些細なことかも知れませんが、
とても大事だと思ってます。
では。

じつは、「壁にぶつかっても十字キーを押し続ければ歩きモーションが継続する」というのはポケモンの特徴の一つなんです。

ポケモンばっかりやってるとそれが当たり前のように思ってしまうのですが、他のRPGでは壁にぶつかったら完全に止まってしまいますよね。

開発者がこのような考えで、そのモーションを残したというのはとても興味深い話です。

第11回 2004.08.30

北米で9月9日に[FIRE RED」「LEAF GREEN」が発売されます。
GREEN??っと思った方は鋭い!
もともと、北米では赤緑が「RED」「BLUE」、赤青だったんです。
タイトルは青ですが、中身は緑なんです。訳あってそうなりました。
そう考えると、「FIRE RED」「WATER BLUE」になるはずなんですが、
どうしても緑にしたかったんです。
・LEAF(葉)は平和の象徴であること。
・炎と水では反発し合うため勝負のように見えてしまう。
・パッケージでフシギダネの色鮮やかさを出したい。
・日本人にはなじみが薄いが、海外の子供にとって「LEAF」(葉)は分かりやすい。
・世知辛い世の中、争いのない世界を考えたタイトルにしたい。
などが理由です。
結果、全世界共通で、「LEAF GREEN」になりました。
めでたし。めでたし。
こうやって世界共通のタイトルを決めるのって、しんどいんですが、
人を説得するために、
「なぜそうしたいのか?」
を、追求することになるので、実に面白いです。
(自分がなんでその物事にこだわっているのか?が、発見できるんですよね!)
ちなみに、、、
毎回タイトルは商標の難しさもあって相当悩むんですが、
ファイアレッド、リーフグリーンは「分かりやすさ」をテーマとして創っていたので、
タイトルも分かりやすくタイプから考えました。ですので、結構早く決まりました。
これも、めでたし。めでたし。
では。

今では当たり前になったポケモンの「全世界同時発売」ですが、この頃はまだそれが出来ていませんでした。

それでもこの頃から増田さんは、ゲームフリークは「全世界共通にしていきたい」という意志を感じます。

実現するのはかなり先のお話になるんですが、ポケモンのグローバル化についてずっと考えてくれていたのだと思います。

第20回 2004.09.30

今日9月30日で、ポケモン情報サイト「palette」
http://www.pokepale.com/
が閉鎖してしまうようです。
よく訪問していたので、とても残念!
情報が早くて素晴らしいサイトでした。
サイトを運営するのはたいへんだと思います。
始めてしまうと止めるタイミングが難しいですね。
ポケモンクリスタルの時も、任天堂さんのサーバー運営をいつまでやるのか?というのは、
非常に難しくて、何度も話し合ったのを覚えてます。
始めると止められないモノ。止めづらいモノ。
そういうものを探すのも面白いですね。
好きな曲の途中とか、TV、小説、スポーツ、ドライブ、登山とか。
(逆に言えば、そういうものを創ればハマル可能性があるってことですね)
始めると止められないモノ。
まあ、このコラムもそんな感じがありますが、、、
止めるのにも勇気がいります。
パレットの管理人さん、お疲れさまでした!
では。

個人的に、かなりビックリした「めざめるパワー」です。

paletteさんと言えば現在はポケパレ!として運営を続けている老舗ファンサイトなんですが、一度閉鎖された際に増田さんから惜別のメッセージが!

意外とゲーム開発者の方もファンサイトを見てくれているんだなぁ…と感じためざめるパワーでした。

第43回 2005.06.24

8時20分の電車に乗らなきゃ!
9時の授業に遅れちゃう!
こういったことから始まる時間との戦い。
時間が決まっているから、時間に追われる。
もし、電車が何時にくるか決まってなければ、
もし、学校の授業や会社の始業時間が決まっていなければ、
そのこと自体考えなくても良いのかも知れません。
そして、そんなに慌てる必要もなくなるでしょうね。
時間が決まっているから、
余裕をもって、早め早めで動いてみる。
すると、見えてくることが違ってきますよね。
時間に余裕があると、心にも余裕がでてきます。
おばあさんの荷物を持ってあげるとか、いつもらしからぬ事をした。とか、
優しくなることもあるでしょう。
近くの雑草や花、帰るときの月、星など
見えてくるものが違ってくることもあるでしょう。
そう考えると時間の力ってすごいと思いませんか?
そして、この日本はずいぶん時間に敏感で過敏に反応していると思いませんか?
最近、この時間の動きが気になっています。
もう少し、ゆっくりゆったり生きたいですよね。
では。

僕が一番好きな「めざめるパワー」です。

ポケモンには現在も「時間」の概念が取り入れられていますが、「金・銀」のときは時間限定の要素が非常に多かった印象があります。

それは画期的であると同時に、生活スタイルやプレイスタイルに大きな影響を与える要素でもありました。

でも、「ルビー・サファイア」以降はかなり、時間による制限が少なくなりましたよね。

ゲームフリークでも、増田さんの中でも何か思うところがあったのかもしれませんね。

第59回 2006.08.11

今日はいつもと違う雰囲気で。
ダイヤモンド・パールはそのプロジェクトを立ち上げる前から
ポケモンソフトの中でも究極の形を創ろうと考えていました。
そしてその時点で、
『多くのスタッフが力を合わせ1つの方向に向かっていかなければ究極のものは出来ない』
そう確信していました。
そこで、このプロジェクトのためにスタッフに向けて増田が作った映像があるんですが、
まあ、ちょっと難しいテーマなんですけど、、、
今回は、そのテキストの一部を公開しますね。
ーーーーーーーーーーーーー
面白ければよいのではない。
ウソをつかず、信念をもって取り組んでいく。
新しいことへのチャレンジ。
ゼロから生み出すパワー。
そして、こだわって作り込む。
ポケモンという紙に描く世界は
今よりも、もっと未来の世界。
理想の世界。そして究極の世界。
世界中の人々が手をつなぐことを願って、
幸せな世界、愛のある世界、
そんな思いから、
幸せの象徴『パール』
愛の象徴『ダイヤモンド』
を選んだ。
次の世界、次のステージへ。
どんな困難があっても、
新しい世界を生み出すために、
共に走ろう!
ーーーーーーーーーーーーー
そして、最高のスタッフと走ってきました!
みなさんにお届け出来る日はあとちょっと。
いよいよ本日から予約が開始されます。
わたしたちゲームフリークで
「楽しさ、面白さ、夢、冒険心」などを
たっぷり詰め込んだ、
『ポケットモンスター ダイヤモンド』
『ポケットモンスター パール』
ぜひ、遊んでみてくださいね。
では。

「どんな困難があっても、新しい世界を生み出すために、共に走ろう!」

かっこよすぎませんか?

もう、このフレーズだけで殿堂入りです。

第241回 2013.11.18

2013年10月12日(土)
私にとっては夢が現実となった日です。
そう、この日『ポケットモンスター X・Y』が世界同時発売されました。
フランス、ニューヨーク、ドイツ、日本などでもイベントが行われ、世界中がこの日を祝ってくれました。本当にありがたいことです。
世界同時発売だからこそ、世界の人とその日に出会うことができ、一緒に楽しむことができます。そして、ポケモンを初めて発見する感動と興奮を世界中の人と同時に楽しむことができるのです。
実現できて、無事発売できて、みなさんにお届けできて本当に良かった!
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今回「美しさ」「絆」「進化」をテーマに、仲間と共に冒険し、ポケモンを捕まえ、愛情をもって育て成長していくゲームを創りました。
でも、もっと大きなテーマがあります。
ポケットモンスターのディレクターをしていて、いつも考えていることがあります。
それは、この現実世界のこと。
「よりよい世界を!みんなで作ろう!」
人生の中での出会いとは、不思議なものです。
もし、1年早く生まれていたら、いまの友達や仲間は変わるかも知れません。
もし、好きなもの嫌いなものが違ったら、出会いは変化します。
もし、同じ時代でなかったら。両親が出会わなかったら。
そう考えると、本当に数多くの要因によって出会いが形成されていることに気づきます。
偶然であり奇跡である、出会い。
そうして奇跡的に出会った、同じ時代にこの地球に住んでいる人としたいこと。
それは、憎しみ合いではなく、前に向かってよりよい世界を作り上げて行くこと。
X・Yというタイトル名も同様の考えです。
これはX軸・Y軸方向に伸びていくそれぞれの考え方を表現しています。
この2つの考え方は全く違う方向に伸びていますが、実はX軸とY軸は交わる点(ポイント)があります。それぞれの考え方の共通のポイントを見つけようという思いがこのタイトルに込められています。違いを探すのではなく、共通のポイントを探そうと。
「よりよい世界を!みんなで作ろう!」
そんなことを考えるきっかけになるソフトを作りたいのです。
『ポケットモンスター X・Y』は約3年半の年月をかけ、
各国語への翻訳等のスタッフも合わせると、500人を超える方々と共に制作しました。
素晴らしいスタッフに恵まれ、そして多くの方々と一緒にものづくりが出来たことを
嬉しく思いますし心から感謝しています。
もちろん、スタッフとの奇跡的な出会いにも感謝です!
いろんな角度で楽しみながら、是非、遊んでみてください!
では!

ポケモンが初めて「世界同時発売」されたときのめざめるパワーです。

増田さんの文章から溢れ出す「嬉しい気持ち」が伝わります。

先ほどの59回のめざめるパワーとあわせて読むとゲームフリークの仕事は、ゲーム開発者の仕事は「世界を作り出す」ことなんだと思いました。

ポケモンの中には世界を作り出したと言われる「アルセウス」というポケモンがいます。

僕はもう、アルセウス=増田順一さん説を強く推しますね。

まとめ|ポケモンファンは確定一発

実はこの記事、長すぎたので投稿する前に内容を半分ほど削除しました。

増田部長のめざめるパワーはまだまだこんなものじゃありません。本気を出せばポケモンファン確定一発です。

なので、ぜひお時間のあるときにアーカイブから全部読んでみてください!

増田部長のめざめるパワー(ゲームフリーク公式サイト内)

増田部長の締めの言葉について

「チャオ!」 73回
「チャオ。」 3回
「チャオ!!」 2回
「では。」 93回
「では!」 38回

「プラーズマー!」 1回

それでは、

チャオ!